まず、期限のあるものから手をつける
やるべきことは多く見えますが、期限があるのは限られています。期限のないことは後回しでかまいません。
- 相続登記(名義変更):相続を知った日から3年以内。2024年4月より前の相続は2027年3月31日まで。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料。
- 相続税の申告:相続を知った日の翌日から10か月以内(かかる場合)。
- 空き家の3,000万円特別控除:売るなら、相続開始から3年目の年末まで(かつ2027年12月31日まで)に引渡しを終える必要があります。
- 相続放棄:相続を知ってから3か月以内。放棄しても、次に管理する人が決まるまで管理義務が残る場合があります。
次に、家の「いくら」を幅で押さえる
一括査定サイトに登録すると、複数の業者から一斉に電話がかかってきます。まだ売ると決めていない段階では、公的な取引価格情報で「おおよその幅」を知るだけで十分です。
国土交通省が公開している実際の取引価格と地価公示を使えば、近所で似た土地がいくらで売れているかが分かります。空き家ナビはこれを住所から自動で拾います。
持ち続けると、毎年いくらかかるのか
固定資産税・都市計画税に加えて、草刈りや見回りの費用、火災保険、遠方なら交通費がかかります。年間で10万円前後になることが多く、10年で100万円です。
注意したいのは「管理不全空家」の指定です。窓が割れている、雑草が伸びきっているなどで市区町村から勧告を受けると、翌年度から住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が最大6倍になります。
選択肢は5つしかない
どんな空き家でも、取れる道は次の5つです。どれが良いかは、価格・状態・家族の合意で決まります。
- 売る:現金化して分けられる。3,000万円特別控除が使えれば税負担が大きく減る。
- 貸す:建物が使えて需要があれば。ただし貸すと特別控除は使えなくなる。
- 壊す:老朽化して売れない・貸せないとき。更地にすると税は上がる。補助金は着工前申請。
- 国に返す(相続土地国庫帰属):建物があると申請できない。負担金がかかる。
- このまま持つ:決められないときの現実的な選択。ただし毎年の負担と管理責任は続く。
家族で決められないときは
空き家が放置される理由の1位は「家族の間で意見がまとまらない・遠方に住んでいる」です。全員が同じ資料を見ていないことが多く、話が進みません。
数字を1枚にまとめて共有し、「この条件ならこうする」と決め方の合意を先に取るほうが早く進みます。