取得費が不明なときの5%ルール
譲渡所得は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。取得費が大きいほど所得は小さくなり、税額も下がります。
国税庁は、取得費が分からない場合に売った金額の5%を取得費とすることを認めています。根拠は所得税法33条・38条と租税特別措置法31条の4です。実際の取得費が売った金額の5%未満であるときも、5%を使えます。
3,000万円で売った場合、取得費が不明なら150万円です。仮に実際には1,500万円で買っていたとすると、その証拠があるかどうかで課税される所得が1,350万円違うことになります。
探しておきたい書類
5%を使う前に、実額を示せる資料が無いかを探します。家財を処分したあとでは見つかりません。ここは順番を間違えないところです。
- 売買契約書、領収書
- 住宅ローンの金銭消費貸借契約書、返済表
- 建物の工事請負契約書、見積書
- 当時の分譲パンフレット、価格表
- 通帳の出金記録
- 登記済権利証、登記識別情報とともに保管された書類
相続した場合の取得費
相続で取得した不動産は、被相続人が買ったときの金額と取得の時期をそのまま引き継ぎます。相続税の評価額を取得費にすることはできません。
取得の時期も引き継ぐため、被相続人の所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得として扱われます。相続してからの期間で判定するわけではありません。
3,000万円特別控除の期限
被相続人が住んでいた家を相続して売る場合、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
期限は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。耐震基準を満たすように改修するか、建物を取り壊して売ることなどの要件もあります。
空き家ナビのレポートでは、相続した日を入れるとこの期限を残り日数で表示します。該当しそうなら、売る段取りを決める前に税務署か税理士にあたっておくと安全です。